データで見る相続
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文書作成日:2025/12/20
減少に転じた配偶者居住権の設定登記件数

2020年4月1日より施行された配偶者居住権ですが、どの程度利用されているのでしょうか。ここでは、法務省の登記統計(※)から、配偶者居住権の設定登記件数をみていきます。

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配偶者居住権の概要

 配偶者居住権とは、被相続人の所有する建物に相続開始時点で配偶者が居住していた場合に、相続後も配偶者がそのままその建物に無償で住み続けることができる権利です。配偶者は、遺産分割協議や遺言によって、配偶者居住権を取得することができます。

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配偶者居住権の設定登記件数の推移

 上記統計資料から、配偶者居住権の設定登記件数の推移をまとめると、下グラフのとおりです。

 2023年に初めて900件を超えた配偶者居住権の設定登記件数ですが、2024年は861件と再び800件台になりました。前年比5.5%の減少で、2021年以降では最も少なくなりました。

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法務局管内別の推移

 法務局の管内別に配偶者居住権の設定登記件数をまとめると、下表のとおりです。

 2024年の結果をみると、東京法務局管内が388件で最も多く、大阪法務局管内が176件、名古屋法務局管内が129件で続いています。この3法務局管内で全体の80%程度を占めています。

 法務局管内別にみると、東京法務局管内の件数が2年連続で減少し、2024年には400件を割り込みました。名古屋法務局管内は2023年より17件減少しています。東京と名古屋の減少が、2024年の設定登記件数全体の減少につながっています。

 制度開始から5年が経過しました。2021年以降の設定登記件は、800件台後半から900件台で推移しています。2025年以降はどのように推移していくでしょうか。

(※)法務省「2024年登記統計

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